村田製作所、Marketo導入4年目の取り組み

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7月6日に開催した、「THE MARKETING NATION SUMMIT 2016」から今回はMarketoユーザーである、株式会社村田製作所のセッションをご紹介します。

創業70年以上になる老舗の電子部品メーカーである村田製作所は、時代に対応しながら高い技術力を活かして業績を伸ばしてきました。現在の売上高は1兆2000億円強で、そのうち日本市場での割合は1割未満。6割以上を占める中華圏をはじめ、世界中で事業を展開しているグローバル企業です。

登壇いただいた同社のマーケティング&コミュニケーション部 デジタルマーケティング課の原田 良介氏によると、事業領域はスマートフォンの中におよそ750個含まれるというコンデンサ(蓄電器)を主軸にしつつ、近年は通信モジュール(小型通信端末用)の割合が次第に増えているそうです。

そんな中、同社はマルケトの日本法人が立ち上がる前の2013年に、グローバルでMarketoを導入。その背景を、原田氏は「既存ビジネスの延長ではない、新しい市場の開拓に力を入れるため」と話します。この3年で、同社はMarketoを通してどのようにデジタルマーケティングを発展させてきたのでしょうか?

 

 “勝手に売上を上げてくれるツール”ではなかった

海外での技術営業を経て、Marketo導入の1年ほど前からデジタルマーケティングに携わっている原田氏は、導入時の課題として「各種のプロモーション活動が分断しており、顧客のファネル(購入プロセス)がつながっていなかった」ことを挙げます。これをデジタルマーケティングによって解消し、売上の全体的な底上げを図ることがMarketo導入の目的のひとつ。もうひとつが、前述の「新規市場の開拓」でした。

「比重の大きい携帯電話関連のビジネスに注力する一方で、例えば自動車ヘルスケア環境・エネルギーの狙いたい成長産業、新商品などの“ライジングスター”を見つけ出したいとも考えていました。そこで、グローバル対応をしているMarketoを活用し、既存と新規市場の両方で顧客育成に取り組みました」(原田氏)。

具体的な取り組みのポイントは、次の3つ。
1.顧客行動の見える化、データベース化
2.有望な顧客を営業へつなげるプロセスの整備
3.期待の育成を通した有望な顧客の絞り込み

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とはいえ、当初は英語版での運用だったため、困難も多かったそうです。加えて原田氏は「いわゆるマーケティング“オートメーション”ツールには、導入すれば勝手に売上を上げてくれるのではないかという過度な期待があった」と振り返ります。

 

コンテンツを充実させつつ、アプローチを最適化

試行錯誤しながら取り組みを進めるうちに、「顧客が見えてきた」と手応えを感じ始めたそう。例えば今、BtoCでは企業の公式サイトや価格比較サイト、あるいは実店舗など、オンラインとオフラインを行き来しながら情報を集めて商品を購入するという顧客行動が当たり前になっています。これと同様のことがBtoBでも起きていることを感じたと原田氏は言います。

「展示会やウェブサイトでの情報収集を経て、当社と直接コンタクトを取るころには、購入する製品を絞り込んでいるのが実態でした。BtoC同様に、昔ながらのビジネス、営業スタイルは通じません。まずオンラインのコンテンツを充実させ、顧客行動を分析して有望なリード(見込み顧客)を発見し、適切なアプローチで期待を高めることが重要だと分かりました」。

ツールによってメール配信などが効率化しただけでは不十分だと言えます。「メールはあくまでお知らせにすぎない。誘導した先のコンテンツが良くなければ意味がない」と考え、コンテンツに力を入れながら、同時にMarketoを通してデータ分析やアプローチの最適化を実施。徐々にナーチャリング(有望見込み顧客の育成)が実現し、成果が上がり始めましたのだそう。「Marketoはマーケティングの“自動化”ツールというより、コミュニケーションツールなのだと考えるようになりました」と原田氏は言います。

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Marketo RTPの機能を活用し認知拡大に注力

導入2年目、マルケトの日本法人も立ち上がり、国内でもマーケティングオートメーション(MA)が浸透し始めたころには、村田製作所は次第に自社のビジネスの特性に合わせてMarketoをある程度フィットさせられるようになっていました。

「日本でマーケティングオートメーション(MA)が流行りだし、各企業で活用が進む中、リードナーチャリングは“釣り”だ、いや“狩猟”だといった例え話も聞かれましたが、当社では“農耕”だなと。豊かな土壌(お客様)を耕し(認知活動)、種(商材と良質なコンテンツ)を撒いて自生(検討)して頂き、早めに発見して栽培の名人たち(営業)に渡して、収穫(売上)していく。渡す際は、デジタルな行動・属性スコアだけで機械的に判断せず、必ずアナログ的な人の経験による知見を踏まえて、営業と連携することがポイントだと気づきました」(原田氏)。

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導入4年目に差しかかる現在、同社が注力していくのは、カスタマージャーニーの最も上流にあたる、認知の部分。新規市場や新規ターゲットにアプローチする際は、認知拡大が特に重要になります。そこでWebパーソナライゼーション)の機能を活用し、業態推測などを通してオーディエンス(受け手)を拡張して広告を配信、新規ターゲットとの接触を検討していくと言います。

「理想は、お客様との様々な接点において、必要な瞬間に、自然とムラタが目に入ってくるという状態。これを、認知から始まるカスタマージャーニーの全体を通してMarketoを活用しつつ実現していきたい。Marketoは日本で一般的に認識されている”マーケティングオートメーション”を超えたツールとなってきている。」と原田氏。Marketoを、自社の課題や業界の状況に合わせて使い込んでいく様子がよく分かるセッションでした。

村田製作所様の講演資料はこちらからダウンロードいただけます。

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マルケトでマーケティングを担当している清水真理です。

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