Tomorrow’s Marketer Vol.2 〜IDOM流マーケティングディレクターの育て方〜

_NYK2366

「Tomorrow’s Marketer」をテーマに、業界をリードするトップランナーに次世代のマーケター像を語っていただく本連載。第2回目は、「ガリバー」ブランドで国内No.1の中古車売買実績を誇る株式会社IDOMで、Gulliverマーケティングチームのチームリーダーを務める中澤 伸也氏に登場いただきます。

中澤氏は、家電量販店ソフマップで店舗フロア長やバイヤーとして現場経験を積んだのち、ECのリニューアルプロジェクトに参画してからマーケティングの道へ。次に入社したゴルフダイジェスト・オンラインではマーケティング部の責任者となり、その後、エクスペリアンジャパンでCMOに従事され、現在に至ります。

そんな現場もマーケティングも知り尽くした中澤氏は、これからのマーケターを育成するために、どのような取り組みをされているのでしょうか? 詳しくご紹介します。

 

デジタルマーケティングのパラダイムシフトに乗り遅れるな

スマートフォンの普及によって、デジタルマーケティングが大きな変革期にあるということは、みなさん肌で感じていらっしゃることだと思います。これこそ“直近で起きたパラダイムシフトである”と、中澤氏は指摘します。

「企業もだんだんこの変化に慣れてきて、位置情報を使ったマーケティングなど、いろんな取り組みをようやく動かし始めたところですが、まだまだやりきれていない状態です。

そんな中、すでに人工知能や音声認識のテクノロジーが、次の新しいパラダイムシフトの芽として出てきており、私の予想では、Googleが登場して情報へのアクセス方法が激変した時と、同じレベルのインパクトになるだろうと考えています」(中澤氏)

人工知能も音声認識も一見、マーケティングとは無縁のものと思うかもしれませんが、これらが組み合わさって進化を遂げた先には「会話型コマース」が待ち受けているのです。これまで消費者一人ひとりが、“自分の求める情報を咀嚼して、検索ワードに落とし込む”というステップを踏んでいたのに対し、会話型コマースの普及した世界では、“口語調で思いついたまま話す”ことでダイレクトにゴールへ辿り着けるようになるかもしれません。そうなれば、お客様をおもてなしするために、自ずと企業のWebサイトの作り方も変えなければいけなくなることでしょう。

「デジタルマーケティングの世界は常に変化し続けてきましたが、昨今はパラダイムシフトの起こるタームが短くなると同時に、その振り幅も大きくなっていると感じています。技術の変化によってマーケティングに何が起こるのかを考え、パラダイムシフトの芽を的確に捉えることが重要ですね。企業は消費者の行動変化に対して、対応力をどんどん上げていかないと」(中澤氏)

 

マーケティングディレクターを社内でいかに育てるか

次に、パラダイムシフトについていくためには、どのような組織改革を進める必要があるのか、聞いてみました。

その答えについて中澤氏は、企業の体力や業種によっても、理想的な組織の形は大きく変わってくることを前提に、「最低限コアな部分として、マーケティングコミュニケーションの全体像を指揮する“マーケティングディレクター”を社内で育成することが不可欠だ」と話します。

マーケティングコミュニケーションをするということは、お客様のカスタマージャーニーを設計して、もう一つ深い段階のシナリオを描き出すこと、そのものです。マーケティングディレクターは、それに基づいてマーケティング全体の予算を適切に配分すると同時に、施策に携わる人々をドライブさせる役割が求められているのです。

とはいえ、日本にCMOがほとんどいないのと同様に、マーケティングディレクターを担える人材を見つけることは、容易ではありません。ご存知の通り、デジタルマーケティングには多くの手法が存在しますし、広告だけでもとんでもなく広い領域をカバーしなければなりません。加えて、マーケティングコミュニケーションを設計するためには、顧客を理解することが何よりも重要です。

人がいないのはわかりきっている。ではどうするのか——。

 

マーケティングディレクターを育てる3つのステップ

中澤さんは、マーケティングディレクターを育成するために必要な3つのステップを教えてくれました。

 

STEP1:営業現場で好成績を上げる

「お客様を知り、ビジネス感覚を身につけるために最も近道なのは、店頭で営業することに限ります。これに勝るものはない。できれば3年間営業経験を積み、好成績を収めてもらいたい。営業成績が良いということは、それだけお客様のことを理解できているということですからね」

 

STEP2:ジョブローテーションでマーケティングの各分野に触れる

「営業経験でベースができたら、SEOやリスティングなど、マーケティングの各分野をジョブローテーションで触れてもらいます。プロフェッショナルな部分は、外部の業者に任せて構わない。各分野の窓口を担当しながら、それぞれある程度の深さまで知識をつけてもらい、コミュニケーションを設計する上での選択肢の幅を広げてもらいます」

 

STEP3:プロジェクトに参加しながらOJTでディレクションを学ぶ

「ディレクションだけは、自分の横に置いて、見て学んでもらうしかないんですよね。だから、まだ何もできない状態でも、なるべく早い段階でプロジェクトに参加させることが大切です。ディレクターの仕事は、ガントチャートを書いて、タスクを切って回すだけではなく、ベンダーとの交渉や人の気持ちを察するような活動が半分くらいを占めるので、自分のやり方を見せながら、一つひとつ丁寧に教えていきます」

実際に同社では、こうして新卒から丁寧に社員を育てているそうです。マーケティングオートメーションを筆頭に、昨今のマーケティング施策はマーケティング領域だけにとどまらず、多くの人を巻き込んでプロジェクトを進めていく必要がありますから、マーケティングディレクターには非常に高いコミュニケーションスキルが求められていることがわかりました。時間はかかりますが、必要な遠回りなのでしょうね。

次回のTomorrow’s Marketerも、お楽しみに!

2016年7月に開催したMARKETING NATION SUMMIT 2016でのIDOMのセッション、「ガリバーが伝授!MAツールを選ぶ際に見極めるべき“5つのポイント”」をまとめたブログはこちらから。

marketo-curstomers-blog-banner

 

ShimizuMari

マルケトでマーケティングを担当している清水真理です。

Read Mari's Blogs

Tomorrow’s Marketer Vol.2 〜IDOM流マーケティングディレクターの育て方〜

Most Shared

株式会社お金のデザイン様 導入事例

お金のデザインがMarketoに乗り換えた5つの理由

IMG_0002

Tomorrow’s Marketer これからのマーケター Vol.1 グロービス様 ~テクノロジーが進化しても大切なのは「ヒト」

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

Marketoの導入をきっかけに営業スタイルを激変させた3つのアイデア

437

村田製作所、Marketo導入4年目の取り組み

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

Marketoの「Ad Bridge」が可能にする3つのこと