Tomorrow’s Marketer これからのマーケター vol.18【CMO対談】トレジャーデータ×マルケト ~デジタル時代を生き抜くテクノロジーとの向き合い方とは

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Posted: 2017-11-28 | Tomorrow's Marketer

これからのマーケティングのあり方、マーケターに必要な資質について、斬りこんでいく企画「Tomorrow’s Marketer」。今回は“CMO対談”として、弊社 バイスプレジデントの小関 貴志が、トレジャーデータ株式会社 マーケティングディレクターの堀内 健后氏に話を聞きました。

 

必要なのは、デジタル時代を浸透させるマーケティング

小関:堀内さんのマーケティング歴は長いですか?

堀内氏:“マーケティング”という職に就いたのは、トレジャーデータに入ってからなので、4年くらいです。前職のマネックスでは、その当時、総口座数が150万ほどあるうち約10万人に向けたハイエンド・サービスとして、資産管理ツールを約3年間つくっていました。アメリカでいうところのプロダクトマーケティング、日本でいうとサービス企画ですね。

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小関:マネックスの前は?

堀内氏:新卒でPwCに入社し、同社がIBMに買収された経緯もありまして、両社で5年ほどコンサルタントをしていました。「いかにITを業務改善に生かすか」を常に考えていましたね。ただ、日本は自分の業務が変化することを嫌う人が多く、完成されたはずのERPパッケージを自社流にカスタマイズしたがる傾向があります。私はこの精神論に全く共感できず、「ロジカルに解けば、もっと簡単に解決できるのに」と思いながらコンサルをやっていました。

小関:昔からテクノロジーには精通されていたのですね。

堀内氏:そうですね。実は、日本の金融で「AWS(Amazon Web Services)」を最初に使ったのは私だったんです。ただ、金融業界は規制も多いので、やりたいことはもっとありました。だから今、カスタマー・データ・プラットフォームといって、Cookie、ID、メアドとIDFAと購買履歴をぜんぶ紐づけられる製品を提供できているのが、すごく面白いんですよ。

小関:「いいものがあるのに、みんなが知らない状態をどうにかしたい」という思いは、ありますよね。

堀内氏:コンサルをやっていたときから、特に経営層が最新のITを知らず損していたり、よくわからないという理由でアレルギー反応を起こすことは、すごく問題だと思っていました。今も、我々の製品に食いついてくれるユーザーがいても、会社の総意にまではなっていないことがよくあるんですよね。

小関:まだまだ、そうなのかもしれませんね。

堀内氏:だからこそ、「The Marketing Nation Summit」のようなイベントに出させてもらって、もっと上のレイヤーにアプローチしながら、全体が変わっていく動きができるようにしていきたいです。

 

トレジャーデータのマーケティング戦略とは

小関:コンサル時代から、経営層にテクノロジーの理解を促す上で、苦労された経験があったのではないかと思うのですが、どうされていましたか?

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堀内氏:ありていに言うと、「わかってくれる人をまず見つける」とか、「スモールスタートで結果を見せる」ことですかね。ITはある種、概念に似ていて、目に見えないじゃないですか。「儲けますよ」というコミットは誰にもできないから、上から予算をもらって、コスト削減してみる。マネックス時代は、そうでした。トレジャーデータでは、とにかく事例をつくって、「こんなことができるんだ」というのを見える形にするようにしています。

小関:それが王道ですよね。トレジャーデータでマーケターになって、最初は苦労されましたか?

堀内氏:トレジャーデータに入った瞬間は、マーケターになったという感覚ではなかったですね。最初は4人だったので、営業先もなければ、マーケティングだけだとやることもない。必然的にリードをつくったり、PRしたりといったことを始めました。私は外資に勤めていたけど、外資のものを日本に持ってきた経験はなかったので、インサイドセールスの概念すらわかっていませんでした。それに、うちの製品はITツールなのに、直販から行こうがパートナーから行こうが、情シスにはまったく売れなかったんですよ。たぶん、「AWS」みたいにプレーンなプラットフォーム製品でもないし、「Oracle」みたいにシュアなスイート製品でもなくて、すごい中途半端なポジションだったからだと思うんですけど。

小関:ポジショニングをお伝えるするのにご苦労されたんですね。

堀内氏:そうこう言っているうちに、ようやくデジタルマーケターに売れて。ひたすらPRして、講演して、とにかく会える人には会って…というのを繰り返していました。展示会やセミナーを飽きるほどやって、今は10万リードくらいあります。

小関:人数が少ないからこそ、「みんなで何でもやらなきゃ」という発想がプラスに働いたんでしょうね。

堀内氏:事例といえば、お客様にお願いし倒してセミナーに登壇していただくことも。半年でセミナーや取材を10本以上……「もう嫌だ」と言われるまで(笑)。営業先にも同行してもらって、自社の取り組みを話してもらったこともありました。

小関:そこまで協力してもらえるのは、なぜですか?

堀内氏:トレジャーデータは日本人が創業したシリコンバレーの会社としてチャレンジしていますし、CEOの芳川はスタートアップ業界で、CTOの太田やエンジニアの古橋はエンジニア業界ではすごく有名人なこともあり、応援してくれる人が多く、とてもありがたいと感じています。あとはカルチャーとして、できることはできると言うし、できないことはできないと言うような“正直さ”はあるかなと。

小関:企業のスタンスに共感してもらえるのは大きいですね。会社の人格が好かれたというのと、堀内さん個人の努力が合わさった結果なんでしょうね。

堀内氏:そう言ってもらえると素直に嬉しいですね。その分、我々の「TREASURE Network Showcase」に参加してくれている日本のスタートアップ、パートナーの人たちには、私がこの4年間でやってきたマーケティングの手法をほぼすべて共有しているんです。「なんでそんなにうまくマーケティングできているんですか?」と言われると、共有してます。それはもちろん嬉しいし、彼らの悩みを自分たちの悩みとして解消しようと考えるのは、私にとってすごくいいエクササイズになるんですよね。コンサルの癖かもしれないですね。課題があると解きたくなるから(笑)。

 

テクノロジーは、もはや道具ではない

小関:堀内さんの情報量はすごいと思うのですが、情報収集はどうされていますか?

堀内氏:私は本が読めないので、「読める人を覚えていて、代わりに読んでもらったのを、聞く」というのが私の情報収集ですね。私の課題図書は、とりあえずチームメンバーに渡しています(笑)。

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小関:キュレーターが周りにいるんですね。

堀内氏:私の頭の中で、”この人はこの領域で強そうだ”という結びつきは強くて、何か課題があると、”この人の知識とこれをつないだら、これができそう”というのは、すぐ思いつくんです。あとは、できるだけお客様と話して、お客様の課題を理解するようにしているのと、「社会課題を解くためにトレジャーデータでできることはないか」と常にアンテナを張って考えていることかな。

小関:本質的な課題を見つけて解くのが、好きだし、得意なんですね。最後に、我々はテクノロジーを提供する立場ですが、よくある議論として、ツールよりも、戦略が先にないとダメだという話があるじゃないですか。私の意見としては、テクノロジーがリードする業務改革もあれば、テクノロジーがヒントになってお客様が変わることもあると思っているのですが……。「戦略・人材・テクノロジー」のバランスについて、どう考えていらっしゃいますか?

堀内氏:昔はテクノロジーが、既存のものを「効率化する」「簡単にする」「自動化する」というだけの道具だったと思うんですよね。それが、今はテクノロジーによって、人がどう考えてもできなかったことができるようになってきたと思うんです。そこを応用して、ビジネス化できない人たちは、どんどんテクノロジーに乗り遅れていきますよね。「ITって、ただの道具だよね」と思っている人は、さすがに危険だと思います。

小関:テクノロジーへのスタンス次第では、ただの道具止まりになる危険性をはらんでいる。

堀内氏:テクノロジー自体がプロフィットを生むというところまで、今はまだわかっていなくても感じている人や、わかっていて考えられる人が今後は強くなってくる。ビジネスの課題を意識した上で、テクノロジーを適用できる人ですね。私たちは、そこを一緒にやっていけるパートナーになっていけたらと考えています。

小関:本当にそうですね。わかりやすくちゃんと伝えるのはもちろんですし、わからなくても諦めずに伝えていくというのが、我々の責務だと思います。今日は、ありがとうございました。

ShimizuMari

マルケトでマーケティングを担当している清水真理です。

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